オリンピックの、身につまされる不穏な雰囲気の話
時事ネタだし、後で読んだときに見通しの甘さを指摘されるかもしれないから、短めにしよう、と思って書いたのに長くなりました。思いと事象が異なることは慣れっこです。ひろさきです。
オリンピックが始まります。関係者が次々といなくなっていく、なんとも不穏で不安な気分のままスタートを迎えますが、この感覚何かに似ている気がします。
あれです。膨れ上がる不具合に度重なるリスケ、当初費用を大幅に超過して資金が底をつき、キーパーソンが次々と倒れそして辞めていく大規模プロジェクトの雰囲気に似ています。
大規模プロジェクトの場合、どうしてそんなことになるかと言えば、
・コンサルとベンダーの甘言に乗せられて甘い見通しのままスタートを決めてしまう
・マネジメントが現場を知らない世渡り上手な仲間内で構成されている
・トップの意向による場当たり的なスケジュール
・ビジネス部門の大量な仕様変更を断れない
・開発中に人が変わりすぎる
他にもありますが、これらの原因は概ねコンサルにマネジメントを丸投げし、現場はベンダーに丸投げした構造によるところが大きい。
これ、オリンピックも同じ構造に見えます。
・広告代理店の甘言に乗せられ、甘い見通しでスタート
・大規模スポーツイベントの何も知らない人たちが、町内盆踊りのノリで身内を起用
・1年猶予があったにも関わらず場当たり的としか思えないずさんな計画
・アルコールの件や観客の件。当初には競技場のデザインもありましたね
・「謎」の失踪で次々に人が変わっていきました
となると、今後の流れも見えてきそうです。
リリース後の不具合と犯人捜しです。
不具合についてはすでに出てきていますね。コロナのバブル方式とオリンピック村のクレームです。海のにおいもですかね。バグ発生曲線的にはまだ収束しなさそうですが。
そして犯人捜しです。
民間企業ではプロジェクトのトップの名前は決まっています。決まっていますが、マネジメントのお友達なので、直接的には怒られません。スケープゴートを探すことになります。コンサルは手のひらを返し、ベンダーは訴訟をちらつかせるので、結局のところシステム部門の組織全体に罰則を与えて、マネジメントやビジネス部門の溜飲を下げます。
オリンピックではどうなるのでしょう。
トップになりうる人が首相や都知事、組織委員会長などより取り見取りです。そして以前のように権力者特有の有耶無耶で終わらせる作戦も、これだけネット社会になった以上、なかなか厳しいように見えます。
ぜひとも事務方の不審死で幕引き的なことはやめていただきたい。
そんなわけで見どころ満載なオリンピックですが、どうしても気になることがあります。
オリンピック組織における身内起用人選の「オレわかってるでしょ」感が鼻について仕方ありません。ただの僻みかもしれません。