ぐちさき

今日も愚痴といいわけ。

多様性のある世界で視野が狭まっていく話

 本屋で平積みの本はどれも魅力的なのに、図書館で借りようとするとそうでもない気がするのは、なんでなのですかね?ひろさきです。

 

 

本の購入はネット販売が主流になり、たくさんの本屋さんが潰れていってます。本屋で目当ての本を購入しようとすると、すぐに見つからずウロウロと探すことがありますが、ネット通販ではピンポイントに検索するので、探し回る手間はありません。便利です。

その便利さと引き換えに失ったものが、偶然出会う本です。本を探してウロウロしてるとき、ちょっと時間が空いたので、何を買うでもなく書棚や平積みの本を物色してるとき、特に興味もないジャンルの本や雑誌に目が留まり、なんとなく買ったら面白かった!という体験です。

 

話は変わってYoutubeのトップ画面ですが、今までの視聴履歴によって、興味のありそうな動画が出るようになっています。チャンネル登録しているYoutuberの未視聴動画や、興味のあるジャンルから人気のある動画をおすすめしてくれます。

非常に便利ですが、そもそも飽き性な私は、同じような動画ばかりでつまらなく感じてしまいます。急上昇なども見てみますが、どうもコレジャナイ感があって視聴をやめてしまいます。

 

ネットの発達により個人の発信が容易になり、多様性のある情報が手軽に得られる時代です。一方でその情報量は膨大であり、その中から自分の好みのものを探し出すのは困難です。なのでネット企業に自分の趣味嗜好をあえて伝え、サジェスチョン機能をうまく利用している人が、特に若い世代に出てきています。

おじさんはどうしても個人情報を悪いことに使われそうで、身構えちゃいますけどね。使われたところでお金にならないのに、身構えちゃいますけどね。

 

そうやって、膨大な情報の中から必要な情報を見つけるためには、スクリーニングが必要になってきます。それを機械的に行ってくれているのがネット企業になるわけです。

本来ありがたいことなのですが、問題はスクリーニングされた情報にしかアクセスしなくなるということです。要は、過去の自分が興味を持ったものの延長線上のものしか出会えない、ということです。

せっかくの多様性のある情報があふれているのに、目にすることがない。本当は自分にぴったりな趣味やスキルがあっても、結局知らずに生きて行く、ということがあるかもいしれないのです。それがYoutubeで同じようなものしかおすすめされない問題であり、本屋にあった偶然性の喪失の結果です。

 

この話は、自分の趣味だけで収まるのであれば、まぁ仕方ないで済むかもしれませんが、本当に怖いのはSNSで自分の主張に合う人の意見しか聞かなくなることです。主張の先鋭化ほど怖いものはないですから。

ちょっとこの話は長くなりそうなので、いつか別の機会で書くかもしれません。

 

とにもかくにも。私が何もできず、飽き性で趣味も興味も薄いつまらない人生を送っているのは、サジェストされすぎた情報にしかアクセスしていないからなんじゃないか、本当はもっと興味のある、自分にぴったりのスキルがあって、幸せになれるんじゃないか。つまり、つまらない人生を淡々と生きているのも、友人もいなければ一人で画面に向かって愚痴を紡ぎ続けるのも、おなかが弛んでいるのも、それはすべてネット社会の犠牲者だからだ、とお伝えしておきます。